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2009年3月 4日 (水)

湯浅治久著『戦国仏教―中世社会と日蓮宗』を購入する

 今日、久々に書店に行ったので、湯浅治久氏の著書『戦国仏教―中世社会と日蓮宗』を購入してきた。以前に発刊されたことは知っていて欲しいと思っていたが、今日ようやく購入できた。
 湯浅氏の著書については既刊の『中世東国の地域社会史』を所蔵していて、興味を持っていたし、湯浅氏が勤める博物館に行ったときにも、このブログで紹介したこともあった(http://beginsharu.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_0e3f.html
 そんなことからも、氏の著書が出たと言うことで楽しみにしていた。

 今日は、まだ第二章までしか読めなかったが、目次を見ても日蓮教団史に興味を持つ私にとっては大変に興味深く、さらに読み進めていくと未知のことも書いてあって、私的には非常に楽しい内容であった。
 現在まで読んだ中では、千葉氏と富木氏との関係性、そして富木氏と日蓮聖人の関係が、短い中にも非常に詳細な論述がなされていて、特に興味深かった。

 一点批評を挙げるならば、「彼らが、律宗や法然浄土教、あるいは日蓮の布教の対象となることはごく自然に理解できる。極楽寺が西の境界に建てられ、日蓮が名越に草庵を結んだ事実そのものが、彼らをターゲットにしていたことを如実に物語っている…」(36頁)とのフレーズがよく理解できない。
 東境界の名越草庵と西境界の極楽寺とが対立の構図で、布教の対象となるという理屈に私の頭の中はクエッションマークが巡り、その後を読み進めてもよく理解できなかった。そもそも、鎌倉に居を構えること自体、容易なことではなかったはずである。湯浅氏も「日蓮の場合、名越に来たのは北条一門の名越氏を通じてであり…」と述べているが、何らかの手だてがない限り、鎌倉に居住することはできなかっただろう(ただし、湯浅氏が四条金吾の手だてで鎌倉にとの説を挙げられていたが、これは根拠が乏しいと思われる。こうした点は、さらに詳しい研究が必要かと思う)。日蓮聖人と鎌倉という関係性に対して、名越氏が何らかの形で関わっていたことは想像されるのであるが、それにしても、名越に居住するということと、西に極楽寺があってそれが「布教の対象となることはごく自然に理解できる」のだろうか。その辺は、もう少しわかりやすい説明が欲しかった。

 今まで読み進めた場所が、まだまだ本論である「戦国仏教」論にまで至っていないので、さらに読み進めていきたいが、いずれにしても歴史学的な視座より日蓮教団を解明した格好の書であることは論をまたない。
 おすすめの一書として紹介しておきたい。

戦国仏教―中世社会と日蓮宗 (中公新書) Book 戦国仏教―中世社会と日蓮宗 (中公新書)

著者:湯浅 治久
販売元:中央公論新社
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中世東国の地域社会史 (中世史研究叢書 (5)) Book 中世東国の地域社会史 (中世史研究叢書 (5))

著者:湯浅 治久
販売元:岩田書院
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●ブログ「なんか、まあ適当な感じで…」書評
http://blog.goo.ne.jp/jason_jiambi/e/c5115579a4ff90c0610fbbb77fd262be

●ブログ「Io lessi un libro nuovo」書評
http://d.hatena.ne.jp/satesatedousuru/20090201/1233494410

●ブログ「なまけたろうとすごす日々2009 」書評
http://plaza.rakuten.co.jp/hon5j/diary/200902060000/

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